神保町といえば「本の街」です。しかし、全国の書店数の大幅減、書籍売り上げの低迷、デジタル化の進展など本を巡る環境には厳しいものがあります。その一方で、電子書籍やzineの普及、シェア型書店の増加、日本の出版物への海外の関心の高まりなど、新しい動きも出てきています。そして、神保町は古い書籍文化を大事にしながらも、こうした潮流も受け入れて、さらに新しい知識文化の伝統を創ろうとしているように思われます。それが世界的な雑誌『タイムアウト』で、2025年「世界で最もクールな街」ランキング第1位に選ばれた理由でもあるのでしょう。
「Zine & Book フェス in 神保町」は、そうした神保町の今を切り取って見せる、まさに「神保町展覧会」です。神保町愛好者、ビブリオフィル(愛書家)はもちろん、これまで少し敷居が高いと思っていた方にも、神保町書籍文化の広がりと深みを知っていただく絶好の機会となるはずです。
開催日時と場所
- 2026年1月18日(日)・19日(月)の2日間(両日とも午後1時~7時半)
- 出版クラブホール(3階)及び会議室(4階)(千代田区神田神保町1―32)
フェスの概要
メイン会場である出版クラブホールは4つのエリアで構成されます。
- Zineエリア
公募した出展者による1日30ブースのzineの展示・即売 - Bookエリア
神保町の厚みのある知識資源を知ってもらうための、個性ある書店、古書店、シェア型書店、ギャラリー、出版社等による展示・販売(出展者一覧は末尾に掲載)
(なお、印刷関係については、神保町に限定せず、新しい取り組みをされている2社にご出展をお願いしています。) - 交流エリア
出展者、イベント登壇者、一般参加者がテーブルを囲んで交流できる場所:ドリンクサービス(有料)、デジタル展示、関連書籍・物品展示あり
神保町3書店が開発したジン「Shot Story」を提供 - イベントエリア
本やzineに詳しい専門家・有識者による全部で5つの対談と座談会(内容は末尾掲載) - ワークショップ等の開催
zine初心者のための制作ワークショップと、制作上気になる著作権等法律への対処を知るための講習会(末尾掲載)を開催します(別途応募必要、定員あり)。
一般参加費
- 前売り500円、当日1,000円(現金のみ)、学生は当日も500円。前売りは下記Peatixを通じてご購入ください。
(準備中、11月からの販売を予定) - 当日は出入り自由(夜のお薦め飲食店マップ配布)
主催:東京文化資源会議
協賛:読売新聞東京本社
<イベントエリア:トークショーの概要>
18日(日)
- 対談1
「神保町・本の文化のこれから」午後4時~5時
吉見俊哉(國學院大学教授)/鹿島茂(フランス文学者) - 座談会1
「若手が語るこれからの神保町」午後6時~7時
- 今津美帆・松並沙矢香(パサージュ)
- 纐纈望(三省堂)
- スーザン・テイラー(神保町研究者)
- 司会:加藤聡(大阪大学特任研究員)
19日(月)
- 対談2
「新しい本 デジタル文化の創造」午後1時~2時
渡邉英徳(東京大学教授)/植村八潮(専修大学教授) - 座談会2
「神保町歴史談義とこれからの神保町」午後3時~4時半
司会:鎌垣英人(ブックストア・ソリューション・ジャパン副代表理事)
導入:飯田一史(出版ジャーナリスト)
懇談:飯田一史、手林大輔(書泉グランデ社長)、鎌垣英人 - 対談3
「私たちにとっての本とZINEの流通:これまでとこれから」午後6時~7時
仲俣暁生(編集者・文芸評論家、大正大学教授)/碇雪恵(ライター)
<Zineを知るために>
18日(日)、会場:4階会議室
- 制作初心者のためのワークショップ:材料費1000円・要予約、講師:宮崎希沙(合同会社KISSA代表)午後2時~5時、対象10名:小学生以上(保護者同伴も可、参加費各自)
- 権利処理等法規関係講習会:無料・要予約、講師:川野智弘弁護士、午後6時~7時半、対象15名
- Peatixで事前申し込み
<Bookエリア出展者リスト>
各日12社
- 書店
農業書センター(1/19)、ブックハウスカフェ(1/18,19)、stacks bookstore(未定) - アート関連
文房堂(1/18,19)、artgallery&Legion(1/18) - 古書店
@ワンダーJG(1/18,19)、大屋書房(1/19)、ボヘミアンズギルド(1/19) - シェア型書店
パサージュ(1/18,19)、ほんまる神保町(1/18)、ネオ書房(1/18,19) - 出版社
クオン・チェッコリ(1/18)、皓星社(1/18,19)、本の雑誌社(1/18,19)、地平社(1/19) - 印刷会社
大日本印刷(1/18,19)、藤原印刷(1/18)
